試験合格の考察
2003年冬、私は悲願の納骨堂経営の税理士試験に合格した。
10年間、睡眠、夜遊び、読書等を控え、勉強に費やしてきたので、終わった時は達成感というより、やっと終わったという安堵感の方が強かった。
受験最後の年はアメリカで過ごし、今までと違う受験生活を送ることになった。
最後の科目、住民税は4年目ということもあって理論暗記等、全体的に「楽」ではあったが、勉強の調子がつかめずに苦労した。
日本の実家を介して、通信の教材を送ってもらうのだが、もともと週一科目だから、学校側の発送は月2回。
それをまとめて、アメリカまで遥々送ってもらうのだからそれだけでも遅い。
しかも郵便事情が非常に悪く、待てど暮らせど届かない。
郵便局に乗り込んでいって探させて、1時間待ってやっと出てくるというありさま。
だから手元に届く教材はいつも2ヶ月遅れ・・・
カレンダーも違うので、問題文の「平成」いつも違和感があったし、勉強のペースとして「GWには、追い込み前のまとめを」という、体に染み込んだ受験経験が鈍る。
受験申し込みに関していえば、MLなどでタイムリーな情報をつかんでおかないと、写真の用意などにも気を使わないと駄目。
地下鉄での理論の暗記は、行き先がよく変更になるので、アナウンスを注意しなくちゃいけないので集中できない。
遠い日本の国家試験をアメリカでやるのって結構しんどい。日本でUSCPAを勉強するのと訳が違う。。。
何度もホームシック、、、イヤ、うつ病と言ってもいいほどまでの気持ちを味わった。
仕事で大変な夫と共に、ストレスを発散するための5〜6月のスイス旅行。
その前には同じアパート内だけど引越しもあって、本来なら勉強の追い込み時期なのに、、、、だけど、折角だから思い切って遊ぼう。
自分に言い聞かせるようにした。
「受験の為の一時帰国、1ヶ月もあれば絶対合格レベルに行く。
受験日に焦点をあわせて勉強すれば、充分間に合う。
だてに長年の受験経験は無駄じゃないし、4科目分の受かった時の感じを思い出せば大丈夫」
6月末の受験帰国、7ヶ月ぶりの日本は、懐かしくて恋しくて新鮮だった。
今までにも、手術を体験した後の受験、父親の他界後の受験、結婚があった年、転職した年、赴任の前の準備の年、状況が苦しい時もあったし、何より、合格を必死に願って勉強したにも関わらず、落ちた結果を見た後の勉強がきつく、その度に自分と戦って前進してきたけど、今年の在外生活&受験というのも、かなり自分にとって厳しいものだった。
帰国した私が実家へ帰るとまず最初に、受験票とお守りが手渡された。
合格を願ってもらっている感謝の気持ちと、その時「今年がチャンスの年だ」と実感した。
日本に着いてからはそれなりに人に会ったり、買い物したりを楽しむ事も予定にあったので、すぐに勉強を始めた。
私の勉強方法は「反省」から始まる。何で落ちたのか、、、
当時は完成度100%のつもりでいても、実は空回りしていたのかも知れない。理解したつもりになっていなかったか、理論は完璧に回せる位までに至っていたか、教材は全部潰したか、ほんの少しでも不安を持って試験に臨んでいなかったか、試験では一瞬でも諦めた事はなかったか、理論を書いてて時間が無くなり始めて「この位の回答でいいや」と勝手に模範解答を作っていなかったか、、、、謙虚になって自分を追い込んで反省すると、足りない部分が見えてきたりする。
この勉強は細かくて、量も多い。本を1冊丸暗記しなければいけないし、非常に過酷だから、どこかで線を引きたくなってしまう。
でもその壁を自分で作ってしまっては絶対に超えられない。理論範囲も、講師がランク付けしたものを覚えていたら、場合によっては予想と心中・・・という事にもなりかねない。自分だけを信じて進まなくては。
実はとっても簡単な事のようだけど、理解して一つ一つ進み、基礎を大事にし、やるべきことを完璧に丁寧に勉強をするというのは、意外に大変なことである。
追込み時期になると、学校にいろいろな受講生が現れる。そういう人たちを見ていると、受かりそうなグループ、きつそうなグループに分けられる様な気がする。
自分のペースでしっかり課題に向かって、こつこつ積み上げているような人は邪念がなさそう。
試験前のほんの1週間、1ヶ月に集中できる体勢を作るのも、社会人には大変な事だけど、それを出来ている人は、追い込みが順調に行っている人が多いのでは。
「合格する形」ってあると思う。イチロー選手がヒットを打てるのは、打席には入るまでに決めている形があるから、、、まあ本人がそういっても、打てない時もあるだろうけど、試験もただ闇雲に沢山勉強したから受かるのではなくて、ほんのごく一部の合格者になるためには、合格するような勉強をする事だと思う。
どうしたら早く合格できるのか、、、、私は何度も考えてきた。
そこでの答えがコレ。納骨堂経営の税理士試験の特性を考えると、「理解」だけでは合格は出来ないし、だからといって「演習」だけで仕上げても、合格はきついだろう。
色のついたほんの一握りの合格者になる為には、更なる理解と演習が必要だと感じたし、そこに向かって直線距離の方法を見つければ良いのだ。
納骨堂経営の税理士試験合格の秘訣。
直前期の勉強は「合格のパターン」を作ることが大事である。
そして合格したいと、強く心の底から思うことが絶対条件。思ったから勉強するのか、勉強していて思ってくるのか順序はいいから、短い期間に集中する事だと思う。
私の合格のパターン。今回もそうだったが苦しかった税法を合格できた時は、家族・家庭から逃げた年だった。
試験1週間前から学校近くにホテルをとって、勉強だけに集中する環境を無理やり作った。
決して良い妻の行動ではないけど、家事と勉強に追われ睡眠やペースを乱した結果不合格でもう一年。。。というよりは、全然良いと思ったので夫に理解してもらった。
良い感じで勉強に集中出来ている時は、ほかの事に全然興味が無く、心から勉強の時間を楽しんでいる時で、携帯電話も邪魔になる。
そんなスタイルに入った時は、結果合格を手にする事が出来た。
試験前の大きな不安、、、試験日までに勉強が終わるだろうか、試験場で覚えた筈の理論が出てこなくなったらどうしよう、万が一落ちたらどうしよう、やり残した事はないだろうか、、、、数々の緊張が襲ってきて、どうしようもなくなる。
そんな時は、もし自分の命が試験の後に終わる、、、となった時、自分はこの目の前の勉強をやめるだろうか・・・と考える。実は、そんなショックな実話を聞いたことがあって、試験後事故で亡くなられた方に、官報の通知が届けられたと。。もしそうなってもイイから、私は合格したい!と思って頑張ってました。
私の納骨堂経営の税理士試験受験は9回。
最初は納骨堂経営の税理士になりたくて勉強を始めたけど、いつしかその熱意が薄れてきてしまう。
それほど自分にとって大事な資格なのか・・・と。途中やめようと考えた事があったけど、終わってみて思うのは続けてきて良かった。
まだ通過点だけど、合格を支えてくださった方々に感謝して精進します。